一日の行軍を終え、夜の楽しみは夕ごはん。山行中に食べた食事はたとえそれが普通のカレーでも下界ではどの店でも味わえない 極上の一品となる。極上にするのは己の体を精一杯駆使して今日の行程を 歩き抜いた自分に他ならないのである。 |
学生編 合宿のメニューに炊き込みごはんとお吸い物というメニューがあった。これは市販の炊き込み御飯の素とご飯のぶち込んで一緒に炊いて、これをご飯兼おかずにし、お吸い物で香りを楽しむというものだった。部の誰もが文句をいうわけでもないので、これが当たり前だと持っていたが文部省の研修(文登研)に行った時にこの炊き込み御飯とお吸い物を提案したら、「で、おかずは何なの?」と講師にも仲間にも質問された。「え?おかずは無いけど・・・」その後はこんなの山のメシじゃないとか、少なすぎるとか、餌とかもう延々とネタにされて大変なショックを味わった。これが私が後に山で腹ペコ山男に変身するきっかけとなった体験でもあった。 |
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作り方 | コメント |
★カレーライス お湯を沸騰させ、持参したペミカンを放り込む。さらに沸騰してきたらカレーのルーを砕いて入れる。固まらないように10分ほどかきまわしたら出来あがり。 |
なぜかどんな合宿も最初の2日間はペミカンを利用した料理だった。食料係にはコッヘルの 掃除が面倒くさいのでこのメニューは嫌われるけど実は部員のみんなが大好きなメニュー。 小さいお玉があると便利。 ハウスのチューブにんにくも美味いよ(^^) 臭くなるけどね。 |
★クリームシチュー お湯を沸騰させ、持参したペミカンを放り込む。さらに沸騰してきたらクリームシチューのルーを砕いて入れる。固まらないように10分ほどかきまわしたら出来あがり。実はペミカンを使用した料理は溶かすルーが違うだけで作り方は同じなんよ。 |
クリームシチューには独特にチーズ臭さがあるが山男にはこれがたまらない。 チーズ をさらに数枚入れて煮こむと味わいも深くなる。ただしつまみ用のストリングチーズは全然融けなかった。あれはなんかやばい薬品入ってるんとちゃうかな。 |
★粕汁
(かすじる) シャケの切り身2枚の骨を丁寧に抜く。かしわを2本分手もみをしてやわらかくしておく。つぎに酒粕をお湯で溶かし、その中にかしわとシャケをつけこむ。数時間したらそれらをまるごとビニールに入れる。これを持参し、沸騰したお湯に入れて煮立ってきたら出来あがり。 |
”カス”が食べるからカス汁ではないので念のため。山男の先輩であるK本さんが食料係の時に考案した一品。冬の立山ではじめて食べたが、酒粕の ほんわかしたにほい と 五臓六腑に染み込む味わい は忘れられない。準備は面倒くさいがみんなの満足度は高い一品。 冬山でヒーローになれる一品間違いなし。 |
ちなみに、「ぺミカンって何ですか?」という質問を受けることが意外と多いので下で解説しますね。
★ペミカンの作り方 ペミカンとは肉や野菜をラードで炒めて固める長期山行を意識した保存食料のことでもともと北米系の保存食。人数が多いとき向けかな。カロリーはかなり高いので冬山向け。数時間しか歩いていないのに毎日ぺミカン食べたら間違いなく激ぶとりコースまっしぐら。 |
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【用意するもの】 肉(牛肉のことよ) タマネキ、にんじん、ジャガイモ(入れない時もあり)、塩、コショウ、ラード 【作り方】 熱したフライパンにラードを引き、用意した材料を放り込む。ラードは一本を使いきるくらいギトギトにする。十分に冷ましてから袋にいれる。袋は4重くらいにしてね。 |
ラードでべたべたなので、あくまで 保存用&汁物用と考えて欲しい。少し塩を大目に振っておくとキツイ山行の時にはなお良い。ちなみにペミカンを作るのは1回生のお仕事である。しかもこれまで勉強ばかりして家の手伝いをしたことない奴らばかり(私もそうだった)が作るので 焦がしてしまったり 、味見と称して自分の夕ご飯に ちょろまかした奴もいるくらいである。自宅生の場合はおかんに頼む奴が多いので、同じテントになるとおいしいペミカンが堪能できる。 |
<補足> 上で紹介したのは炒めるパターンで、どちらかというと半ぺミカンという状態です。本当のぺミカンをしたいのなら、ラードで炒めたあとに、さらにビニール袋にラードを入れて湯で温めて溶かし、その中に炒めたものを入れて空気を抜いていってください。ラードの中にパックされたような形になります。 |
社会人編 社会人ともなるとせいぜい1泊2日の山行が限界となり、また山行の回数を極端に減ったので毎回同じようなメニューとなっている。 特選献立 Best4 に掲載してあるメニューを使いまわしている。ただし 重いのが難点。体力の低下とともに次第に足かせとなっている。とはいうもののいつもおなじメニューばかりでは飽きてくるのでいろいろと試行錯誤を繰り返している。 |
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作り方 | コメント |
★アスパラ入りクリームシチュー お湯を沸騰させ、ソーセージとアスパラを食べやすく切ったものを入れる。その後クリームシチューの素を加えてアスパラがやわらかくなったころに最後に チーズを加えて出来上がり。 ![]() |
尾瀬山行ではじめて実践!アスパラを入れると見た目もいいし最高です。ただしやわらかくなるまで煮ましょう!アスパラは意外と火が通るまで時間がかかるのだ。チーズも入れるとうまいです。 |
★麻婆はるさめ雑炊 お湯を沸騰させ、○谷園のはるさめを放り込む。その後、具を放り込む。サラミなど入れてもよい。アルファ米を入れ膨らんでくるまで煮込む。最後にねぎを刻んで出来上がり。 ![]() |
白馬山行で本格デビューした一品。これはまじでいける。最後にネギを刻むといいよ。 実はこのネギがポイントなのだ。乾燥ネギは駄目。(まずい) ひとりで食べるには量が多いので二人以上で食べるのがよい。楽におかわり二杯できる。汁は大目 に入れよう。 |
★ カレー雑炊 お湯を沸騰させたあと、アルファ米とサラミを加えカレーのルーを加える。アルファ米が膨らんできたら出来上がり。 ![]() |
もともとは単独行用に開発したものであるが人数が増えても使える一品。おいしいし、食料も水も燃料も節約できるよ! |
★ ドライカレー 用意するもの】 ドライカレーの素1P 、サラミ1/2本 玉ねぎ1個 ピーマン3個 ガーリックトーストマーガリン 米2合 まずご飯を炊く。(固めに炊くことが条件)その間に玉ねぎをみじん切りにし、ピーマンは縦に細く切ったものをコッヘルで炒める。さらにサラミを細かく切ったものを加え炒める。ご飯が炊けたらごはんの中にさきほど炒めた具を入れ、ドライカレーの素をかけながら混ぜ合わせる。 |
GWの立山でデビュー!基本的に夕飯は汁物が中心であるが、これはごはんで満足するものである。喉が乾くので味噌汁やスープが少しあるとなおいい。
サラミを使ったがGWの時期なら日持ちもするソーセージのほうがよいと思う。 テントの中でジャジャーと炒める音を聞くのは快感だ! |
★ マヨネーズ丼 【用意するもの】 アルファ米、シーチキン缶、魚肉ソーセージ、マヨネーズ、ラーメンのスープの素 アルファ米を炊き、その上に切った魚肉ソーセージとシーチキンをまぶす。その上にマヨネーズをかけ、醤油ラーメンのラーメンスープの素をかける。 食べる前にかき混ぜて一気にかけこむ。 ![]() |
秋の剣沢でデビュー!!思いつきでその場で誕生した一品。醤油がなかったのでラーメンスープの素(液体タイプ)を代用したが、 シーチキンマヨネーズ巻きをおいしいと思える人は食べられるでしょう。(爆)正直いうと二度と食べたくない。 しかし魚肉ソーセージは安いけどあまり好いメニューが思いつかないのだ・・・ |
★タイ式レッドカレー 【用意するもの】 用意するもの】2人分 レッドカレーペースト、ココナツミルクの素、炭火地鶏、じゃがいも、にんじん、たまねぎ まずお湯をかるく沸かし、ココナツミルクの素を溶く。その後、カレーペーストを加え油が浮いてきたら,肉や野菜を加え煮こむ。野菜が柔らかくなってきたら出来あがり。 ![]() |
市販のカレーライスはええかげんに飽きたなあという方には是非お勧め。アジ○ンホームグルメのレッドカレーとココナツミルクを用意しましょう。まずは試しに家でつくってみましょう。 ちなみに日本のカレーのようにドロドロにはならないので勘違いしないようにね。 |
★トマトスープ 【用意するもの】2人分 トマト缶、コンソメ、ベーコン1本、玉ねぎ1個、塩、コショウ、フランスパン1本 最初にベーコンを炒め、次に玉ねぎを加えて炒める。いい色になってきたら水を加えて沸騰してきたら缶のトマトを入れて煮こむ。コンソメは数個入れてば十分。 ![]() |
山でトマトを食べられるなんて大変幸せな一品。マカロニを入れるとなおいい。トマト缶は重いけど満足は間違いなし。コンソメで味の濃さは調節可能。 |
★ほうれん草クリームシチュー 用意するもの】2人分 サラミ、クリームシチューの素、じゃがいも、たまねぎ、人参、ほうれん草(乾燥) 沸騰したら、野菜を放り込んでその後、シチューの素を加えて野菜が柔らかくなったらできあがり。今回は乾燥ほうれん草を入れて見た目をよくした。 味はその日のつかれ具合で濃くしたり薄くしたりしよう。 ![]() |
最近定番となってきたクリームシチューだが、ほうれん草を入れるだけでずいぶんと変わる。冬はアスパラを多用したが夏はほうれん草がイケそうだ。 |
★すき焼きごはん 【用意するもの】 前日に炊いた食器一杯分のご飯とすき焼きの缶詰1個 前日に食べきれなかったご飯にリーマン旅男氏の差入れのすき焼きをかけ、朝のやきそばの副食とした。 ![]() |
朝はじめてごはんを食べた。いままでラーメン系もしくはアルファ米系だったので新鮮だった。手間がかからず腹も膨れてGood!以後採用!
ちなみに今回は定番Nのやきそばを使用。やきそばについてはやっぱりやまが好き!のsudoさんに聞くべし。朝飯として食べたけど夜にも転用できそうなので掲載!すき焼きご飯+焼きそばで立派なディナーかな。 |